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  • AMCにSQLは不要?

    「SQLは不要」という訴求を見かけますが、広告のキャッチコピーとしてありだとしても実際に不要なのでしょうか?

    個人的にはアマゾン運用にハンズオンで携わる売上責任をもった人であれば一定の知識はあるに越したことはないと思います。

    「SQL不要」訴求の裏にはその言葉の響きがとっつきにくいことに配慮したのでしょう。それでもデータの構造みたいなものはマーケターのメンタルモデルとして押さえておいたほうが良いと思います、SQL言語として理解しないまでも。

    何故なら顧客の行動仮説を立てながら施策に落とし込んで検証しつづけることこそマーケターの宿命だと思うからです。「自分でSQLを書く」くらいの勢いがあってもいい(実際は書かないにしても、正直確かに「敷居は高い」と思う)。

    逆に言うなら「SQLが不要」とはどういう状態かというと既成のダッシュボードを良しとする姿勢。もちろん一理あります。確かに楽だし正確だし一目でわかるという意味で優れている。多くの人にとってその方が便利と思います。が「受け身」の姿勢は否めません。報告用とか、他部門と共有するとか、にはちょうど良いかも。「SQL不要」とはようするにダッシュボードに依存している状態なので限定的な使い方になります。極端に言えばそこで探究心が抑え込まれてしまうというデメリットになります。

    マーケターはそれに満足しては駄目で、ダッシュボードにはない第三、第四の切り口でデータを切って「差を見る👀」という姿勢・習慣が必要です。そして「差を見る👀」には同時に顧客ユーザーの行動や広告のシグナルなど掛け合わせて思考するメンタルモデルが鍛えられ、仮説検定して初めて発見があります。自分で書かなくともSQLを書いてくれる人を社内(IT部門)あるいは社外(広告代理店など)に持つこと、SQLを理解していれば依頼もスムーズに効率よく依頼できるというメリットにもなります。データの構造(大袈裟に言うならアーキテクチャ)上できることはある程度限られてます。マーケターのいいところはデータありきで分析に入るのではなく、販促や顧客行動の目線から入れるところです。つまり顧客行動の仮説を立てる人がデータ構造の限界も同時に把握してる状態が最も的確な仮説を立てれる条件でもあります。データの限界を把握しつつキャンペーンの効果測定や顧客の行動モデル仮説設定の見立てができてこそ、マーケターのセンスがあります。

    A/Bテストはアマゾンではなかなか設定が難しいのですが、それでもある顧客や売上の塊を2つに割ってみる、何を軸に「割るか」ということに、マーケターあるいはリサーチャーとしてのセンスが問われます。なぜその属性で切るのか?商品Aを買った人と買わなかった人という切り方もあるでしょう。そのときに母数が十分なのか?つまり、2つの集団を比較するときにいわゆる差の検定をしなければいけません。という風にどんどん掘り下げている力が必要になります。SQLだけでばなく、統計学(差の検定、分散分析 ANOVA)の知識も必要になります。

    現在はAmazon Ads Agent広告エージェントといういわゆるAIのチャットボット(残念ながら現時点では日本語未対応、正確にいうと初回は日本語で聞けるけど、問答が英語に限定される*、ベータ版)が実装されましたのでSQLおよびビジネスロジック検証などのサポートは充実しています。私も実は全部自力でSQLを書けといわれると戸惑ってしまう方で、普段はAIにサポートしてもらいながら書いてますが、ことAMCに関しては一番正確で詳しくかつセキュアなAmazon Ads Agent広告エージェントに頼っています。ご存知のとおりAIも完璧ではなく(Amazon Ads Agentも含めて)けっこう間違いもあり、最終的な検証は自己責任となってしまいます(注意:「ぜったいに丸投げはしないでください。)。Amazon Ads Agent のサポートを受ける前提としてもある程度のSQLの基礎知識は必要だと思います。なぜなら、Amazon Ads Agent にどこから何をどう聞いていいのかがわからないからです。

     *最近わかったのですが、Gemini によれば、このようにAIが英語限定になってしまう現象は「言語バイアスによる精度の低下」あるいは、英語化への引き戻し(English Fallback / Prompting in English)などと呼ばれるようで、実務や開発の現場において、非英語圏のエンジニアやアナリストが「日本語でうまく動かないから、結局英語でプロンプトを書かざるを得ない」ということは結構あるようです。

    言語フォールバック、言語制限、Language constraint, English Fallback

    SQLは要するに「習うより慣れろ」ですから、まず何か書いてみる(あるいは書いてもらう)そして実行する、すると結果が戻ってくる。この繰り返しでだんだん慣れてきます。一番簡単な例でいえば、

    SELECT
        SUM(purchase_units_sold)
    FROM
        amazon_retail_purchases
    WHERE asin =  'ABCD123456';

    このSQLは指定したASINが何個売れたかを出すだけで、この程度であればVendor Central(あるいはSeller Central)のレポートから出せるので、あまり意味はないのですが、ここからいろいろと拡張していくことができます。特にAという商品を買ったユーザーが何人で、購入から90日以内に何人の人が継続購入したか、などVendor Centralのレポートでは出せないような数値を出すことができます。