Lifetime Value (LTV)はしばしばCustomer Lifetime Value (生涯顧客価値)とも言われるが、その期間は生涯(lifetime)の長さを言っているのかというと現実はそうでもない。では、どれくらいの長さなのかと疑問が湧いてくるが、それにはLTVを算出する目的を理解する必要がある。

イメージでいうと上図のようになる。上段に売上、下段にコストを示した。上段は初回購入金額(1st), 二回目購入金額(2nd),..それぞれの利益(profit/Loss)部分の合算の期待値 (expected)がLTVとなる。何故ここで、期待値という言葉を使うかというと、初回購入金額、二回目購入金額、それぞれ実現するかどうかはわからないので、数学的に言うと金額 x 確率で期待値をとる。その確率はここでは継続率ということになる。一方、下の段に示したのがCustomer Acquistion Cost (CAC) あるいはCustomer Acquistion Cost (CPA)ようするに顧客獲得コストであり、また、合算する期間がPayback Period (投資回収期間)となる。
話を元に戻すとLTVを算出する目的は、「顧客を獲得するのに費用(広告費)をいくらまで使っていいか?」というお題に答えるためである。上図でいうと投資回収期間内の初回+二回目+三回目。。。のProfit あるいはLossの合計値をその発生確率 (=継続率)で掛けた値まで「広告費をつかっていいよ」ということになる。
ただし、生涯 (lifetime)という尺はやたらに長いため、つきつめると「今はわからない」という答えにしかならず、話が前にすすまないから、実務上は一定の尺で切って運用することになる。会社によって異なるものの実際の経験では尺の長さは1年であったり5年であったりその商材の性質によりまちまちである。また、この方式を採用するには、もともとが直販 (Direct-To-Consumer)をしていることが前提となる。いわゆる通販であったりダイレクトストア (UniqloやApple)を主な販売チャネルにしてる会社に限られると思っていい。
ただ実際多くの会社の場合、マルチチャネルで販売している場合がほとんであり、LTVベースの投資評価に慣れてなることはむしろ稀で、しかも後発のオンラインチャネルありきで広告費を算出することはまずない。しかもアマゾンの場合は元々オフラインの商流があって追加でアマゾンあるいは楽天に展開する経緯が自然であり、既存のありもののチャネルに「右へ倣え」での広告費を算出することになり、業界平均や競合他社を見ながら売上のXX%というルールで一律チャネル横断で年度計画をたてて運用するのが常だろう。
AMCを活用してLTVベースのCAC算出は理論上は当然可能であるが、もともとの会社生い立ちが通販やピュアオンライン企業でない限り、あるいは会社としてオンラインチャネルへ全面的に取り組もうとしてる状態でないかぎり、財務部門と突然この話をしても話が噛み合わないことがほとんどなので要注意である。

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